神戸市室内管弦楽団と神戸市混声合唱団 2025年プログラムを発表
開館50周年記念 ベートーヴェン2日連続など多彩に公演

神戸市民文化振興財団は、神戸市室内管弦楽団と神戸市混声合唱団の2025年シーズンプログラムを発表した。就任5年目を迎える室内管弦楽団の鈴木秀美と混声合唱団の佐藤正浩の両音楽監督が会見に出席。3年にわたった神戸文化ホール開館50周年記念事業の最終年にあたる今シーズンは「人間讃歌」と題して、11月にはベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」と「第九」を2日連続で演奏する。神戸文化ホールを拠点に2つのプロ音楽団体が活動するという、全国的にも珍しい特性を生かした多彩なラインアップに期待が高まる。

2025年度の企画を発表した神戸市室内管弦楽団の鈴木秀美監督(右)と神戸市混声音楽合唱団の佐藤正浩監督

ウィーン古典派に込められたトルコのリズムを堪能

神戸市室内管弦楽団は、5回の定期演奏会、2回のセレクションシリーズを開く。新シーズンの幕開けは4月19日(土)の第167回定期演奏会「追憶のショスタコーヴィチ」。ショスタコーヴィチを得意とするラトビア出身の指揮者・ポーガと、神戸市北区出身でウィーン在住の若手バイオリニスト・松岡井菜による競演。バスクス「われらに平和を与えたまえ」では、神戸市混声合唱団も参加する。

9月20日(土)の第169回「萌えたつブルックナー」は、ドビュッシーの第一人者であるドイツの名匠マックス・ポンマーを指揮に迎え、ブルックナー「交響曲第1番ハ短調」(1868年リンツ稿・レーダー版)を中心に、ドビュッシーの組曲「子供の領分」などを披露する。

鈴木氏が指揮する定期演奏会は、6月7日(土)の第168回と、来年3月7日(土)の第171回。「トルコ趣味はいかが?」と題した第168回は、オスマントルコ帝国軍隊がウィーンの城壁を包囲した歴史的記憶を、異国風な音やリズムとして捉えて楽曲に生かしたモーツァルトやハイドンの楽曲で再現する。第171回「大いなる旅立ち」では、ピリオド楽器(フォルテピアノ)での奏法の研究にも取り組むピアニスト・務川彗悟がソリストとして参加。ベートーヴェンの「第九」以後の作品として、シューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」でシーズンを締めくくる。

鈴木秀美
©K.Miura

神戸市室内管弦楽団のセレクションシリーズでは、8月23日(土)に東灘区文化センターうはらホールで、小菅優のピアノによる藤倉大とモーツァルトの弾き振りを届ける。来年1月10日(土)には、長田区文化センター別館ピフレホールで、「変な!?ニューイヤーコンサート」と題して、大井駿が指揮とピアノの二刀流で新年をイメージしたワルツなどを演奏。新春を明るく寿(ことほ)ぐ構成となる。

神戸市室内管弦楽団
© SHIMOKOSHI HARUKI

平和への祈り プーランクの不朽の名作が登場

神戸市混声合唱団の定期演奏会は2回。9月14日(土)の秋の定期演奏会は「人間の顔~戦後80年に捧ぐ」。プーランクの名作・無伴奏二重混声合唱のためのカンタータ「人間の顔」を、プーランク解釈・演奏のスペシャリストである佐藤正浩が満を持して臨む。佐藤氏は「プーランク作品の中でも「人間の顔」は合唱曲の最高峰であり、私が神戸市混声合唱団に来てから、ぜひ演奏したいと願っていた楽曲のひとつです。今回は戦後80年に捧ぐと題して、人間の尊厳や自由についての思いが込められたプログラム構成となっています」と意気込んだ。

来年3月14日(土)は、初共演となる尾高忠明指揮による武満徹没後30年を記念した春の定期演奏会。英国音楽を得意とする尾高が「ライフワークの一つ」と語るエルガー作品を披露。実兄・尾高惇忠の混声合唱作品にも注目したい。

佐藤正浩

5月17日(土)にある「合唱コンクール課題曲コンサート2025」は、プロ合唱団が「NHK全国学校音楽コンクール」と「全日本合唱コンクール」の課題曲に挑む人気企画。5回目(配信回を含む) となる今回は兵庫県立長田高等学校の音楽部をゲストに迎えて、佐藤正治の指揮、神戸市混声合唱団の合唱で上演する。今回は特別企画として、昨年逝去した詩人・谷川俊太郎をしのぶ作品も披露される。

神戸市混声合唱団 ©H.Ozawa

前代未聞・空前絶後の「ベートーヴェン二本立て」

神戸文化ホール開館50周年記念事業として、11月15日(土)・11月16日(日)に2日連続演奏会「ベートーヴェン・ダブルビル」を上演する。2025年度は、2023年度から3年間かけて、神戸で創る舞台芸術を「港町」「劇場」「人間」という3つの「讃歌」をテーマにしたシリーズプログラムの集大成だ。最終年度の今回は「人間讃歌」と銘打った、鈴木秀美氏企画による前代未聞の「二本立て(ダブルビル)」。オーケストラ・合唱団・ソリストが連日同じキャスティングで公演できるのは、プロ集団が揃っている神戸市室内管弦楽団と神戸市混声合唱団だからこそだ。

11月15日は、合同定期演奏会「ミサ・ソレムニス」。難解な箇所もあり、容易には聴き手を寄せ付けない、演奏機会の少ない荘厳ミサ曲を、鈴木氏の指揮で室内管弦楽団と混声合唱団がどのように表現してくれるのか注目だ。鈴木氏は「日本ではあまり知られていない「荘厳ミサ曲」ですが、聴いていただくと翌日の「第九」の捉え方が変わるかもしれませんよ」と連日公演の魅力について語った。

第170回定期演奏会となる11月16日(日)は「第九」(交響曲第9番ニ短調 合唱付き)を上演。中江早希(ソプラノ)、布施奈緒子(アルト)、櫻田亮(テノール)、氷見健一郎(バス)が合唱する。「声楽パートが難しいのですが、どういう意図で歌われているかを見事に表現してくれる4人です。ご期待ください」と鈴木。

中江早希(ソプラノ)
©Ayane-Shindo
布施奈緒子(アルト)
©平舘平

「演奏する我々も、演奏を通してベートーヴェンの脳裏の追体験を楽しんでみたいと思っています。皆さんにも、まずはミサを聴いていただき、それを忘れない頭で2日目「第九」の楽しさを味わってほしいですね。お得に楽しんでいただけるよう両日通し券も用意していますので、ぜひ足を運んでいただきたい」と思いを語った。

櫻田亮(テノール)
©Ribaltaluce
氷見健一郎(バス)
©井村重人

神戸の文化振興と国際親善に期待 「KOBE国際音楽祭2025」

また、神戸市民文化振興財団は7月12日(土)~9月14日(日)に神戸市内各地でKOBE国際音楽祭を開く。

神戸市で4年おきに催されているフルートのワールドカップ「神戸国際フルートコンクール」を核とした音楽祭。世界的アーティストをはじめ、神戸市出身・在住の音楽家を迎えるコンサートや、プロ、アマチュア、学生や地元音楽団体による約100の公演が行われる。市内の随所に音楽が響き、音楽との出会いが楽しめる企画だ。

8月29日(金)~9月7日(日)に開く「第11回神戸国際フルートコンクール」は、1985年の創設以来、世界の有望なフルート奏者の活躍を促進し、音楽を通じて国際交流と友好親善を図ることを目的としている。コンクール本選前夜の9月5日(金)には、審査員9人が一堂に会する「第11回神戸国際フルートコンクール スペシャルナイト・ガラ」コンサートを予定。世界最高峰の実力が神戸市で堪能できる貴重な機会となる。




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